ピエールマルコリーニと少年H
少年がエッチなわけではない。
私、きのこの名字、林のHである。
昨日は俺が、1分につき1個チョコレートがもらえることで有名な日
そうバレンタインデーだ。
つまりこの計算でいくと、私は昨日1440個のチョコレートを女性からいただいたことになる。
すなわち、1440人が俺に片思いをしている、ということになる。
みんなごめん。
そんなことを実感出来る日、なんて幸せな日なんだ。
そして昨日の今日、女性からいただいたプレゼントを数えて見ると
1個
1個いただけた。
1日に1個いただけた。
しかも、義理
彼女は、キックボクシングをしているくせになんともスレンダーな体型で、いつも俺の長い顔面を見て急所を探っている。
股間よりも先に俺の顔を見てしまうのはやはり、彼女の菜々緒ばりの美脚を振りかざし、俺の顔面のバランスを整えることに、この世界の50%の人が喜ぶようなそんなニュースを届けることができることを彼女は知っているからである。
(美味しかったよ、ありがとう少女MK、つまり少女ミドルキック)
少女ミドルキックは、本命のチョコレートを渡しに、渋谷の街へ繰り出して行ったのであった。
用を済ませ、渋谷の街を歩いていた少年Hは、虚しくなってきた。
渋谷ハチ公前で、一生懸命に、あれはおそらく北島康介の超きもちいばりのセロトニンが出ている輩の群衆が、「チョコレートください」なんて看板を持ちながら、間違いなく義理であるチョコレートを俺に見せびらかしてくる。
あれほどまでに俺の自尊心を傷つけるものはなかったであろう。
以前のブログの広告に、リーブ21の広告が出ていたことと同レベルで俺の自尊心が傷ついた。
そして、少年Hはいつの間にか、横浜駅のSOGO地下2階にたどり着いていた。
もうお気づきだろう。
彼は、もうその自尊心というものを捨て、自分を愛すがために、もう何もかも忘れ、世の女性が、彼にプレゼントするであろうチョコレートを検討しているあの群れに俺は最近鍛え出し、おそらくBカップほどまでに成長した胸を春日ばりに張り、店内をうろついていた。
そして、目に止まったものはそう。
ピエール瀧とマルコポーロ、そしてザッケローニと念のためザビエルを混ぜて作ったであろう、ピエールマルコリーニであった。
しかし、少年Hはなぜかそこでスマホを取り出したのだ。
そして、オッケーザビエル
いや
オッケーgoogle
を店内の隅から隅まで、それはもうおそらく倉庫で品出しの整理をしている彼氏持ち26歳の
「はあ、今日はバレンタインなのにこんなところで仕事かよ。マジ萎える、ザビエル...」
と嘆いている女性従業員までも驚くような声で、こう叫んだ。
そしたら、
「おもしろい冗談ですね。座布団を差し上げるほどではありませんが、おもしろいです。」
Siriだったのである。
俺は、Google大先生だと思っていた彼女は、Siriだったのである。
なかなか、ギャグ線の高い少年HのSiriは、いつだって私のそばにいてくれることを切に願ってやまない。
そして、少年Hは、なくなく自分でこう検索したのである。
「ピエールマルコリーニ 奴隷」
H、なにをしているんだ
バレンタインのプレゼントを買うため、そりゃ大好きな彼氏のため、旦那さんのために彼の喜ぶ姿を想像しながらお買い物を楽しんでいるたくさんの女性がいる中で、お前はなにを検索している.......!?!?
そう、俺はチョコレートのカカオの生産には、子どもたちが奴隷として雇われていることを知っていたのである。
(参考に... http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12127771409.html)
どこまでが本当かは、自分の目で、そりゃ現地に行って確認しない限り、自分が見たかのような語り口でそうやすやすと話せる内容ではないが、少なくとも俺はこんな経済を回したくない。
子どもたちには、自由に遊び、自由に感じ、自由に学ぶ権利があると思っている。
人間の可能性は無限大だと思っているし、さらに子どもたちの可能性は無限大だと思っている。
子どもたちのその姿は、大人たちになにか忘れさっているものを届けてくれるそんなパワーがあるから、俺は特に大好きだ。
感じるがままに喜び、泣き、怒り、自分に誰よりも正直で、そして男の子はかんちょうをする。
なんてあほなんだと思いながら、俺はそんな彼らが大好きだ。
そんな彼らの自由を奪ってまで俺は大好きなチョコレートを食べたくわない。
最近思うんだ。
金を払うということは、その経済への投資だということ。
そりゃ、すべてのものを調べ尽くし、自分の行動を律することはできない、いやできるが今の私にはまだまだ知識は浅く、到底できないゆえに、いつのまにかそんな経済への投資をしているときがあるかもしれないが、私は常にそんなことを考えている。
ピエールザッケローニ、いや、ピエールマルコリーニはどうやら、そのようなことはないようだったので、(真実は俺にはわからない)私は2000円強、一粒400円弱のチョコレートを買い、まるで彼女にもらったかのような風貌で横浜駅のカップルであふれかえる街中を、竹馬に乗りながら帰って行ったのであった。
※竹馬には乗れない