「桃太郎ジーンズ青山店」で生誕史上1番の無駄遣いをした話
どうも、寝ブッチしすぎてバイト先に行くことが苦痛で仕方ない毎日を過ごしていたが、最近査定があり、そこで告げられた給料が30円上がっていたので、今後とも寝ブッチしていこうと誓った林です。
このバイトもなかなか良いもので、某IT会社のカスタマーサポート窓口のエージェントをやっていて、そこで売った商品の何%かが、JCBギフトカードとしてインセンティブがもらえる。
そのインセンティブも溜まりにたまっていたので、2週間ほど前に、以前から欲しかった「桃太郎ジーンズ」を買いに行ったのだ。
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桃太郎ジーンズは、国産にこだわったジーンズで一つ一つが職人の手で作られた本格もの。
日本の伝統が感じられ、デザインにも桃太郎の桃や和柄の布が使用されていたりと、I Love Japanの我輩にはもってこいのジーンズだ。
最近ジーンズの良さを知った我輩には、なおその愛に拍車をかけ、買わずにはいられなかった。
店に入るや否や、いつも通り女性の店員が我輩に近寄ってきた。
桃太郎ジーンズの代表作には、3つの種類があるらしく、それぞれ試着し、なんやかんや8回ほど試着をした。
股間の部分も、ボタンかジップで選べるようになっていて、個人的にはボタンのほうが好きなのだが予想以上に締め付けが強かったので、ジップのほうにした。
桃太郎ジーンズは、本格的なジーンズなので、10回ほど洗濯すると1センチほど縮んでしまうらしい。
そのくせウエストは履いてるうちになじんできて伸びてくるらしいので、きつめのものを買うのがおすすめらしい。
おちんちんがかゆくなるのは仕方がないらしい。
丈を図り、調整するのに30分ほどかかるらしく、後日無料で郵送するか、もしくは待つかの2択だったが、今すぐに履きたかったので、我輩は待つことにした。
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悪夢はこれからである。
30分間、店員は金魚の糞のように、我輩の後を追ってきた。
自分が目をやる商品全てに対し、説明を重ねてくる。
我輩は、あの時の記憶が蘇った。
そう、「BEAMSただのすねげ隠し靴下お買い上げ事件」だ。
ジーンズだけを買いに来たのに、店員がついてくるから商品に興味を持った振りをしなくてはならない。
なかなか店員が離れていかないので、売ってもいない商品の無茶ぶりを連呼することにより、店員を遠ざける作戦に出た。
「桃太郎ジーンズのロゴが刻まれたTシャツとかないんですかね?」
「桃太郎がジーンズはいたフィギュアとかないんですかね?」
「ジーンズの靴下とかないんですかね?」
質問が適当になってきた我輩は、あるものを見つけた。
それがこれ。
店内に飾られていたこれは、独特のオーラを放っていた。
「私、商品じゃないので、こっち見ないでくれますか」
そんな一言を我輩に放っているように感じた。
しかし、そんなこともお構いなしに、消費社会は値段をつける。
そして、追い打ちをかけるよう、店員は我輩の横でこういうのだ。
「この商品、今まで買った人見たことないです」
我輩は、考えた。一生懸命考えた。
「こいつの使い道ってなんだろう」
一人暮らし、バイトはオフィスワーク。学校は週に2回で特別これといってこいつを使う道が思い浮かばなかった。
でも我輩はすでにゴールは見えていた。購入するというゴールが。
おそらくこいつには、使う人によっていろいろな用途がある。
こんなのにも使えるし、
頑張ればこんなのにも使えるし、
もっと頑張ればこんな使用用途もあると
そう信じ、我輩はいつの間にか、このお店の伝説となっていた。
このなんの使用用途もない、ただの布を袋詰めする店員の顔はかすかに、かすかに笑い、なによりも我輩の心には、地域貢献をしたという自己満足の気持ちでいっぱいだった。
そして横浜の家に帰り、飾って写真を撮っている我輩の頭には無論、「後悔」の二文字しかなかったのであった。
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